
ポルトガル館、大阪・関西万博2025
ポルトガル館、大阪・関西万博2025
9,972点のロープからなる外装は55トンあり、構造として働く必要がありました。そう解いたうえで、開幕日に間に合わせています。
- 所在地
- 大阪府
- 工期
- 2025年4月13日開館
- 当社の役割
- 元請の下で構造・外装・内装
55 t
9,972
3種
1,100 m²
3か月
6週間
構造として働く外装
ロープの外装は仕上材ではなく構造として解く必要がありました。計量すると、主要構造に固定した鋼板から吊る55トン。ロープ要素と再生漁網あわせて9,972点、径は3種類、鋼板ごとに本数が違い、同じ荷重を負担する支持点はひとつもありません。
内装工事は構造的な死荷重を持ちません。したがって標準的な取付ディテールも承認ルートも、この条件には届きません。外装を建物の設計とは別に独立した構造として解析し、そのうえで架構に戻して調整しました。
架構が完成するまで何も吊れないため、下から上へ順に施工し、その間ずっと養生を保ちました。ロープはメーカーから直接調達しています。
吊るのではなく、計算する天井
投影天井は曲面の張力膜です。張力分布、吊り方、各支持点の静力学を現場で解くのではなく、ひとつの計算としてまとめて解きました。膜が不均一にたるむとスパン全体の不具合として見え、投影を合わせた後では調整の余地がありません。
膜は映像そのものも担います。表面張力がピントを左右するため、公差は寸法ではなく光学の問題になります。
カタログにも認定にもない材料
コルクのカーテンは製品ではありませんでした。作るメーカーがないため、カタログの掲載も、納期も、防火認定もありません。そして日本では、認定のない内装材は施工できません。
原料のコルクを材料開発のできるメーカーに回し、テキスタイルに仕上げ、難燃処理を施し、日本の防火試験に通しました。原料から施工まで3か月、うち6週間が認定だけです。
認定ルートを確かめずに材料を決めることが、内装の仕様変更がぎりぎりで起きる最大の原因です。



